空間工房の家づくり
2021.07.15社長ブログ
近江商人のふるい商売訓。
気になるのが、第五訓です。
無理に売るな、
客の好むものも売るな、
客のためになるものを売れ
無理に売るな、客のためになるものを売れ、は分かります。
そりゃそうだ、という話。
えっ!?となるのが「客の好むものも売るな」です。
そんなこと言ったって・・・お客様の好みを売るしかないじゃないか、それが商売ってもんだろう・・・・・・
ついついそう思ってしまいがち。
これはいったいどういうことか、というと・・・
客の好みで売って、結果的に客のためにならんもんを売ってはならん。
ということを、近江商人が戒めているものと私は解釈しています。
商売に限らず、これは物作り、家づくりにも通じるものがあります。
そうなんです、結果的に施主のためにならんものを売ってよいのか(=つくってよいのか)?ってことです。
これには、ものすごく苦悩することがあります。。。
というか、しょっちゅう苦悩します(笑)
これはもう建築屋住宅屋の宿命かもしれません(笑)
『この施主の要望は、ほんとうに・・・・・・ほんとうに施主のためになるのか!?
いや、待て、専門家ヅラして要望を汲みとらないのは横暴だ、これは取り入れねば・・・・
いやいや、待て待て、施主は家づくりは初めてなんだし、やっぱりここは専門家としての意見をつよく言うべきでは!?
でも待てよ、、、素人さんが正しいことだってあるじゃないか・・・
んー、だけど・・・施主のためになりそうにないと思うのなら、おもねらずに言うべきだろう、それでこそ本物の住宅屋じゃないか・・・
むむむ・・・でもなあ・・・これが私たちの好みなんですっておっしゃてるわけだし・・・・・・』
↑こんな感じで私の心は揺れに揺れ動くわけです(笑)
もう住宅屋を二十数年以上やってるっちゅうのに、いまだにしょっちゅう揺れてます(笑)
ここをびしっと言い切っているのが、先の近江商人訓です。
「客のためになるものを売れ」
迷ったときには、いつもこの言葉を思い出すようにしています。